誕生寺(たんじょうじ)は、奈良県奈良市三棟町にある浄土宗の寺院(尼寺)。誕生堂・三棟殿ともいう。
概要
奈良時代、当麻曼荼羅で知られる中将姫の父、横萩右大臣豊成の邸があったとされる場所に建ち、中将姫生誕地と伝わる。一説には古く、釈迦誕生仏を安置したためとも伝わる。
創建・沿革は未詳だが、文政9年(1826年)本堂再建を記した文書が伝わる。中将法如とその両親がまつられるが、もと御殿が3つ並んでいたことより、三棟殿とも呼ばれたという。
境内
本堂
内陣中央に厨子入り本尊中将法如尼坐像をまつる。右脇壇に法然上人坐像・阿弥陀如来像・厨子入阿弥陀如来・二十五菩薩を巧みに刻んだ来迎仏などが安置されている。左脇壇には、豊成公坐像・紫の前坐像・長谷型十一面観音と両脇侍像がまつられている。
極楽堂
庭園の小高いところにあり、阿弥陀如来を安置する。その下に石造中将姫坐像や、二十五菩薩の石仏が来迎の形を模して並んでいる。産湯の井戸もそこにある。
薬師堂
山門の外、参道に面してあり、薬師如来・弘法大師・青面金剛をまつる。
稲荷社
山門を入って左側にあり、吉高大明神をまつる。
文化財・旧跡
- 天平12年(740年)光明皇后祈願の断簡
- 二十五菩薩石仏 - 江戸時代
- 木造中将姫像 - 毎年4月13・14日に開帳される。
- 中将姫産湯の井戸
- 中将姫源信往生図 - 中将姫のため二十五菩薩が来迎し、極楽殿に大きく阿弥陀如来などを曼荼羅風に描いたもの。
- 絹本著色中将姫曼荼羅図(奈良市史料保存館) - 奈良市指定文化財・絵画(平成8年4月11日指定)、毎年4月13・14日に開帳される。
- 絹本著色天神像 - 室町時代
ギャラリー
出典
参考文献
- 『日本歴史地名大系. 第30巻 (奈良県の地名)』 (平凡社 1981年) p.530
- 奈良市史編集審議会編『奈良市史 社寺編』、吉川弘文館、1985、p.166
関連項目
- ならまち
- 三棟町
- 中将姫
外部リンク
- ならまちの文化財
- 奈良市指定文化財一覧




